JPICとは Justice, Peace, Integrity of Creation
その歴史
1967年、教皇パウロ六世の呼びかけにより、「教皇庁正義と平和委員会」が設立され、全世界の司教協議会にも同じ趣旨の委員会を設けるように要請されました。それは、貧困、抑圧、差別のなかで、人間としての当然の権利を奪われ、苦しみの叫びを上げている多くの兄弟姉妹に愛をもって応えるためでした。日本においてもその呼びかけに応え、1970年に
「正義と平和司教委員会」が発足し、世界、特にアジアにおいて社会正義と平和の実現を願う活動が始まりました。
男女総長連盟JPIC
教皇庁正義と平和委員会の設立に伴い、ローマの男女総長連盟は、この委員会と協働する「正義と平和委員会」を設立しましたが、1974年正義と平和のヴィジョンを生きる修道生活の生涯養成と行動の具体化のためのネットワークとして独立し、さらに1982年JPICと名を改め、1993年には、ラサール会総本部内に専従をおく事務局が発足しました。JPICは、修道者が現実を意識し、明確な分析に基づく有意義な行動を、キリストに従う者として生きるために機能する超修道会の機構です。現在100以上の修道会が属し、ローマを中心に講演会、研修会、JPIC行動のための資料の作成(地球の温暖化、水、人身売買のテーマなど)、スーダン連帯プログラムなどを展開すると同時に、教皇庁正義と平和協議会と連絡を保っています。
2004年ローマで男女総長連盟が共催した世界大会においても、JPICは、現代における奉献生活の生き方であることが確認されていますが、多くの修道会は本部直属のJPIC担当者を任命し、共同生活、使徒職、養成、統治のあり方をJPICから方向づける努力を続けています。
修道者として生きるJPICは、
# イエスに従う霊性の根本的なありかた
# 神の国の価値観に基盤を置く生き方、物、食品、エネルギーなどの消費スタイル、蓄財、環境との共存、組織における人間関係において「もうひとつの世界は可能」という主張を生き方、かかわり方とする。
# 社会変革への具体的行動 イエスの非暴力を政治、経済、文化のあり方において実現するために、戦争、紛争、人身売買、差別、貧困、環境破壊、エイズ、対外債務など、
いのちが優先されていない現実の問題に取り組む
正義と平和の働きを照らすみ言葉
# 「人よ、何が善であり、主が何をお前に求めておられるかはお前に告げられている。正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神とともに歩むこと、これである」(ミカ 6・8)
# 「主の霊がわたしの上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれたからである。主がわたしを遣わされたのは、捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を告げ、圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を
告げるためである。(ルカ4.18−19)
# 「剣をさやに納めなさい。剣を取る者はみな、剣で滅びる。」(マタイ 26.52)
「実にキリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意というへだての壁を取り壊しました。」(エフエソ 2・14)
正義と平和の霊性を支える教会の歩み
# 「現代人の喜びと希望、悲しみと苦しみ、特に、貧しい人びととすべて苦しんでいる人びとのものは、キリストの弟子たちの喜びと希望、悲しみと苦しみで
ある。真に人間的な事がらで、キリストの弟子たちの心に反響を呼び起こさないものは一つもない。それは、かれらの共同体が人間によって構成されているからである。」(現代教会憲章1)
# 「人類の大部分を今もなお苦しめている多くの社会悪を考え、また貧しい人々に対してキリストの正義と愛をいたるところで奨励するために、全教会の一つの機関を設立することが最も時宜を得たことである。」(現代世界恵章90)
# 「正義のためのたたかいと世界の改革への参加は、福音宣布の本質的な構成要素としてわれわれの前にたちはだかっている。」(1971年シノドス 世界の正義)
# 「教皇ヨハネ・パウロニ世は、聖パウロの教えに従って、平和は悪が善によって打ち負かされるときにのみもたらされる辛抱強い闘いの成果であることを明らかにしています。
軍備と武力行使によってではなく、非暴力を貫き対話によって平和を築く歩みだけが「悪に対して悪をもって報いるという悪循環から抜け出す唯一の道なのです。これはガンデーの非暴力による抵抗運動などが示しているように、多くの人々の共感をよぶものです。この非暴力の精神は憲法第9条の中で、国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄、および戦力の不保持という形で掲げられています。60年にわたって戦争で誰も殺さず、誰も殺されなかったという日本における歴史的事実はわたしたちの誇りとするところではないでしょうか。暴力の連鎖から抜け出せない現代にあって、
この非暴力の精神と実践を積極的に広め、世界の人々と共有することにおいて新しい連帯を築き、平和のために力を尽くしていきましょう。」(非暴力による平和への道 2005 日本司教団)
総長管区長会生涯養成委員会 JPIC