20世紀は、人類がめざましい進歩をとげたと同時に、戦争に明け暮れ、大量殺人を繰り返した悲しい世紀でもありました。21世紀こそ平和な時代にとの願いを誰もが持っていたのでしょうが、昨年のニューヨークで起こった「同時多発テロ」と呼ばれる事件と、それに続く米国主導の「新しい戦争」と位置付けて始められたアフガニスタン攻撃は、世界を再び大きな緊張と試練の中に置くことになりました。このことは、貧困や抑圧という20世紀の負の遺産が未だ解決されていないのであり、直視しなければならないことを物語っています。
人間は誰もが平和に暮らしたい、互いに愛し合って生きていきたいと希望しているにもかかわらず、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。人間はいつまで争いを繰り返すのでしょうか。平和をとりもどすために、私たちは何をしたら良いのでしょうか。このような問いが激しく起こってきます。
国連のアナン事務総長が次のように語りました。「平和の文化が必要なのです。戦争の文化、暴力の文化、刑罰と不寛容の文化に対して、平和の文化には見込みがないように思われることがあるかもしれません。(中略)それも、耐えがたいほど遅いプロセスであり、達成されたとしても、もろい不完全なものであるかもしれません。しかし、平和はわれわれにできることなのです」と。どんなに時間がかかっても、労力を費やしても「平和の文化」「愛の文明」をつくらなければ、根本的な解決はありえません。
日本に目を向けてみます。高度な技術や経済力を持つ日本は、世界平和のために多くの役割を果たすことができるし、その責任があります。何よりも、「平和の文化」のために働ける貴重な立場にあることを自覚する必要があります。なぜなら、平和憲法を持っているからです。その中では恒久の平和を願って戦争をしない、軍隊を持たないことを高らかに謳っており、それゆえに、国際社会の中で和解に向けた調停や平和への役割では特別な地位を占めているはずなのです。しかし、現実にはどうでしょうか。そのようなリーダーシップを国際社会からはほとんど期待されていないのが現状であるばかりか、その貴重な平和憲法の精神を踏みにじる実績をひたすら作り、後は9条さえなくせば完全に戦争できる国に整えられてしまうところまで来ているのです。9条がなくなると、「有事」のためという口実で、次々と戦争ができる体制が作られ、民間人を戦争に巻きこんでいくことは目に見えています。今ならまだ間に合います。かろうじて9条が生きているからです。今、世界の人々が憲法9条を注目し始め、それを残してほしいと願う声が高まってきています。「テロと戦う」という理由さえあれば、武力攻撃も戦争もまかり通りつつある国際社会の中で、9条は「平和の文化」を築くために貴重なしるしと希望を人々に与え続けています。他の国では、このような憲法を作りたいと望んでもほとんど不可能で、「いつか実現してほしい夢」となっているのです。アメリカのオーバビー博士は「憲法9条の会」を作って訴えています。もはや、日本だけの憲法9条ではなく、世界の平和のための貴重な宝となっているのです。
憲法9条はまだ私たちの手元にあり、手放していません。皆さん、一緒に憲法9条を守り、その精神を平和へのメッセージとして世界にも発信し、それを実際のものとするために何らかの行動を起しませんか。このことが本当の平和と人間の幸福につながる「平和の文化」をつくる道と信じるからです。
行動提起
3人から5人の規模で、日本で、海外で「憲法9条を世界の宝に・ピース9の会」をつくりませんか。
* 目的は、憲法9条の大切さを身近な人から訴え、賛同者を増やすことです。そして、いつか憲法改正の国民投票(Xデー)があるときには、一致して「改正」反対の意思表示をします。
* メンバーが増えて6人以上になれば、できれば2つのグループに分かれます。3人はグループの基本単位であり、小さくても主体的なグループを増やすためです。子供もこの会をつくることができます。むしろ、大歓迎です。
* 賛同する3人が集まれば、「ピース9の会○○」と好きな名前をつけて事務局に登録します。事務局は都道府県別に番号をつけます。例えば、大阪で10番目にできたグループは「大阪10」という具合です。そうすれば、各地でいくつのグループができたかがすぐ分かりますし、同じ地域で連絡を取り合うなど、共通の取り組みもできるようになります。
* 登録したグループには、事務局から憲法9条を書いたカードを送ります。できるだけ多くの人に配って、そのすばらしさを広めます。
* その他に、ユニークな活動や資料を紹介しあったり、憲法グッズを交換するなどの工夫で、活動が豊かになります。
* 事務局との通信手段は、メール、ファックス、郵便で行ないます。会費は、年1000円を一口として、それぞれ会の事情に合わせて自由に納めます。
事務局:135-8585東京都江東区潮見2―10―10 日本カトリック会館気付
「憲法9条を世界の宝に・ピース9の会」 代表 松浦悟郎
掾@03-5632-4444 Fax03-5632-7920 e-mail p9@cbcj.catholic.or.jp
郵便口座 00140-8-173466(口座名は同上)
2002.5.3発足