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サプリメントのお話

近年、健康補助食品・栄養補助食品・サプリメント(略してサプリメント)は、代替・補完医療の浸透にともない利用者が急増しています。サプリメントを定義すると、「日常の食事で不足しがちな栄養分を補う食品、あるいは積極的に摂取することで健康増進や病気の予防効果の得られる食品」ということになります(蒲原聖可著:最新サプリメントかんたん事典)。

アメリカでは、サプリメントは医薬品と食品の間に位置づけられていて、食事にサプリメントをプラスすることで健康を維持しようという考え方が社会に定着しています。日本では、厚生労働省がサプリメントを「食品」として位置づけています。

サプリメントの発祥はアメリカです。その歴史は1977年にアメリカの上院議員のマクガバン氏が議会に提出した「マクガバンレポート」にさかのぼります。アメリカ上院栄養問題特別委員会(マクガバン委員長)は、2年間にわたって研究機関を総動員して、現代の健康問題をあらゆる角度から点検し、5000ページを超えるレポートを発表しました。

その中で、「がん、心臓病、糖尿病、脳梗塞などの病気は、現代の間違った食生活が原因である」と指摘し、「食原病」と結論づけ、同時に、「現代医学は薬や手術に片寄り過ぎ、栄養を無視している」と食事や栄養に無関心だった現代医学の変革を指摘したのです。
当時アメリカでは生活習慣病が増加していたので、医療費の膨張を抑え、健康への意識を高めるため1994年に「栄養補助食品健康教育法」が成立し、サプリメントは「食品」と「医薬品」の中間的存在として位置づけられ、健康に寄与するという科学的な根拠が明確にされれば、ラベルにその効能・効果を記載することができるようになりました。

一方、日本では厚生労働省は「栄養成分を補給し、又は特別な保健の用途に適するものとして販売の用に供するもので、かつ食品として通常用いる素材から成り、通常の食品の形状、又は錠剤・カプセル等の形状を成すもの」と定義し、あくまでも食品として扱っています。

2001年4月から「保健機能食品制度」をスタートさせ、“いわゆる健康食品”は「保健機能食品」と「一般食品」(健康食品・健康補助食品)に二分されることになりました。保健機能食品はさらに、@特定保健用食品(トクホ)、A栄養機能食品、B条件付特定保健用食品・規格基準型特定保健用食品に分けられています。今のところ、健康食品は複数の法令(食品衛生法、栄養価以前方、薬事法、不当景品類・不当表示防止法、健康増進法など)により規制されています。

最近の食生活の傾向としては、動物性脂肪の摂りすぎ、加工食品の摂りすぎなどが挙げられます。飽食の時代で過剰な栄養素がある反面、摂取が不足して思わぬ病気を引き起こす事態も生じています。糖尿病や高血圧、大腸がん、乳がんなど食事の影響が大きい病気の増加や、風邪を引きやすい、アレルギー体質、慢性的な疲労、冷え症などで悩む人も増えています。食事と病気は密接な関係にあり、病気にならないためには、バランスのよい食事を摂ることが大切ですが、忙しい現代人に対しバランスのよい食事、ストレスのない環境を求めることは至難の業なのかもしれません。そこにサプリメントの意義があるともいえます。

医療費の高騰、健康保険の赤字化などで、厚生労働省も予防医学を推奨しています(健康21運動)。自分の健康は自分で守るためには、病気になっていない(未病)段階から、食品の三次機能(生体防御・疾病予防・老化予防の働き)を活用し、不足する微量栄養素などを補充することも大切です。

サプリメントを選ぶ基準として、次のことが挙げられます(食べ物とがん予防・坪野吉孝著より)。
@具体的な研究に基づいているか・・・体験談ではダメ。
A研究対象はヒトか。
B学会報告か論文報告か・・・専門誌に論文報告されたものを。
C定評ある医学専門誌に掲載された論文か。
D「無作為割付臨床研究」や「前向きコホート研究」か
E複数の研究で支持されているか

参考図書:最新サプリメントかんたん事典(蒲原聖可著・技術評論社)、食べ物とがん予防(坪野吉孝著・文春新書)、サプリメント事典(日経ヘルス)、今日のサプリメント(薬局別冊・南江堂)、健康・栄養食品事典(奥田拓道監修・東洋医学舎)他