桃色タバコ／ミスター・バングル

わしを黙らせるんじゃ
わしに触れるんじゃ
香水に、風に、木の葉
わしを黙らせるんじゃ
わしに触れるんじゃ
焼け跡、敷布の穴

わしは一服したいと願ったんじゃ
わしの顔に現れる不名誉を隠すんじゃ
コニャックに割れたグラス
ここ数年間
わしはキミの灰皿じゃった

（今日は違うし）

わしは桃色タバコを見つけたんじゃ
キミが去った日の寝床の上で
キミの唇がそこにあったことをどうしてわしが忘れられるんじゃ
キミの口づけはどこにでも行ける
何にでも触れる
わし以外には

わしを黙らせるんじゃ
わしに触れるんじゃ
シャンペン、風にそよぐキミの髪
わしを黙らせるんじゃ
わしに触れるんじゃ
口紅、わしの頬に平手打ち

キミの目は終いには叫んだんじゃ
わしが訪ねるのを恐れたことの全てを語ったんじゃ
今やわしは白に身を包んでおる
そんで、キミは最後にわしを燃やしたんじゃ

（これは最後じゃないし）

わしは桃色タバコを見つけたんじゃ
キミが去った日の寝床の上で
キミの唇がそこにあったことをどうしてわしが忘れられるんじゃ
キミの口づけはどこにでも行ける
何にでも触れる
わし以外には

キミはわしの書き置きと、わしの輪郭線を見つけるじゃろう

キミがわしの遺体を見つけるまで、残り5時間だけ
キミがわしの遺体を見つけるまで、残り4時間だけ
キミがわしの遺体を見つけるまで、残り3時間だけ
キミがわしの遺体を見つけるまで、残り2時間だけ
あと1時間でキミはわしの遺体を見つけるんじゃ
あと、わずかで…